'08.02.15 SPAMメールが減らない理由


今日の「不特定多数の人に異性紹介サイトなどを宣伝する迷惑メールを大量送信したとして、25歳のアルバイト従業員を逮捕した」という、ニュースが流れていた。

ニュースによると、昨年5月から同年12月の間に約22億件のSPAMメールを流していたという。
スパムメールを流した理由は小遣い欲しさだったらしい。 なんでも、受信者がそのメールから利用登録をすると、サイトを運営する広告主から手数料約 2000円が入る仕組みなんだという。 それで稼いだお金は2000万円だというから、その額はまじめに働くのがバカらしくなるような金額ですね。 (^^;

もちろん、この場合の犯罪者は、そのSPAMメールを送り続けた容疑者になるわけだが、この問題をこのまま終わらせていいのかな?
今の法律では、この先はどうすることも出来ないのはわかっているにしても、この事件は「これではSPAMメールが絶対に減らない」ことを暗示しているのと同じ。

つまり、簡単にお金が稼げるという欲を刺激すれば、こういう犯罪者は絶対に減らないということ...。
人間、誰だって欲はあるもんね。 私だってもし、お金に困ったら同じことをやるかも知れない。(自分自身やらないと信じているけど...。今のところ。(^^;



さて、この問題をひも解くと、2つの業者と、一つのソフトウェアが浮かび上がってくる。
業者は当然、「広告主」と「名簿を販売した会社」である。 しかし、「広告主」は実は他の業者に依頼していることが多いため、今回の容疑者とも直接面識も ないだろう。 よって「広告主」は犯罪に当たらないわけである。 広告主と容疑者の間に入った中間業者にしても、おそらく、「SPAMメールとして宣伝し てほしい」と依頼したはずはないので、これも責任が問われない。

また、名簿業者にしたって、建前上「悪意があって使われるのではない」という理由から、これも犯罪に当たらない。

つまり、捕まるのは本当にメールを送信した人だけである。 同一組織ではないので「トカゲのシッポ切り」とは言わないけれども、大きな意味では同じですよね。
つまり、どんなに末端の容疑者を逮捕したところで、このままではSPAMメールは増え続けるでしょう。

現在、企業や個人問わず、SPAMメールを除去するのに大変な苦労をしています。
SPAMメールを除去する(仕分ける)作業は、企業の生産性も少なからず落とさせていることは間違いありません。
私もメールサーバを管理している側の人間ですから、その苦労はよーく分かります。(^^;

もし、国がSPAM規制に注力する決心があるのならば、是非、広告主や中間業者、名簿業者に何らかのペナルティ(罰金レベルでもいい)を与えて欲しい。 少し厳しいかもしれないけど、罰金があるだけでビジネスリスクがあるわけなので、必ず依頼主が減るのである。
依頼主が減れば、日本発のSPAMは少なからず減りますもんね。

そんなことを願いつつ、現時点で有効なSPAMフィルターの開発に勤しむのでした..。^^