Home
<vol.78>熊手の鯛はなぜ腹が上? プリント
===================================
2005年01月18日<vol.78>           発行:フルデジット Inc.
今日の金沢の天気:曇り 雨が止み、これから晴れそうです  最高気温8度
過去1週間の天気:比較的暖かな日が続き、ほとんど雪なしの状態です。
■■■■□■■■□□■□□□■
■□□□□■□□■□■■□□■ 
■■■□□■□□■□■□■□■  Full Digit Newsletter 
■□□□□■□□■□■□□■■  IT Business Newsletter a Week
■□□□□■■■□□■□□□■
=======================http://www.fulldigit.net/


近年、偽札を使った犯罪が増えているうような気がしますね。
元々は印刷業に関連するなど、特殊な機械や技術を持った人が偽造に関与した事
件が多かったそうですが、家庭用のスキャナやプリンタの高性能化・低価格化が
進んだため、特に技術を持たない人まで犯罪に手を染めるようになったのでしょ
う。 今度は偽収入印紙も出回ったといいますから、今後の防止策が気になると
ころです。

それにしても、安易に偽札作りをしてしまう人たちはその罪の重さを知っている
のでしょうか? 実際、紙幣を偽造・行使した者は無期または3年以上の懲役に
科せられると言います。
なぜ、罪が重いのかというと、偽札の貨幣価値を失墜させ、社会的に大きな影響
を与えるからということになります。

よく考えてみると、1万円札も単なる紙切れなんですよね。(^^;
それを私たちは、1万円札であれば、1万円分の価値があると信じているわけです
。日本銀行が発行する日本銀行券(例えば1万円)は「これは1万円の価値があり
ますよ」と、保証しているだけなのです。実際にはお札には当然価値がそんな価
値はないのですが、みんながそれを信じて物を交換する貨幣経済で、この世の中
は成り立っているのですね。
そうやって社会は成り立っているのに、偽札なんか横行してしまったら、1万円
札も単なる紙切れに見えてきてもおかしくありませんよね。
そういう意味で、通貨の偽造は重い罪になるのでしょう。

早く、偽造され難い新札に変わっていくといいのですが..。


----------------------------------------------------------------------
○熊手の鯛はなぜ腹が上?
----------------------------------------------------------------------
正月、初詣へ出かけた際に熊手を買ってきました。 もちろん会社用のものです
が、その熊手を前にして社内でわいわいやっているうちに、「なんで熊手に付い
ている鯛は腹を上にしているのか」という話になりました。(^^;

確かになぜなんでしょう?

そんなことを話してから、数日が経ちました。

うちのスタッフからいろいろな人から話を聞いて、考察してくれたのでここに紹
介します。

○スタッフ(森)の推測 ----------------------------
これはもしかして、恵比寿信仰から生まれたのではないでしょうか?
恵比寿はもともと猟師の民間信神として祭られていたのが起源らしいのですが、
それが時間と共に既存していた民間信仰と微妙に混ざって、今の形になったと思
われます。

『エビス』の言葉自体にも意味があって、『異国民』『勇ましい武将』など総じ
て『豪腕・力』が象徴されているようです。(※鬼伝説でもあるように、異国の
人は恐ろしい怪力の持ち主とされていたようです)
そう考えれば、恵比寿さまも当然マッチョに違いありません。

恵比寿はもともと猟師の神さまでしたから、釣りもするでしょう。
マッチョな恵比寿が釣りをするなら、釣られた魚は当然勢いよく海面から空に放
りだされます。

ここで、ビジュアル的にもっとも『絵』になる構図を思い描くと、マッチョな恵
比寿に思いっきり引き上げられた魚は、当然お腹を上にしているはずです。
絵を書く場合、2つの力関係がはっきりしていて、なおかつ片方を象徴的に描く
場合、もう片方の『非力さ』をアピールします。
お腹を上に向けること、それはすなわち服従であり、降伏であり、白旗です。
(もし自分が絵師だったら、そう描くと思うのです・・)

当時の絵師で、そう書いた人がいるとします。
構図の中で双方の力関係が確定していますから、たとえ釣り上げられた後小脇に
抱えられても、魚はお腹を上にして描くはずです。
(実際にそういう絵、像が多いようです)

マッチョな恵比寿さまはそれ自身が『ありがたい』象徴ですから、恵比寿さんが
持っているものも当然『ありがたい』ものになります。

魚はなんでも良かったのだと思います。
ただ、『ありがたい』の鯛がその語呂から縁起物としての意味をその時点で確立
していたのなら、ありがたい恵比寿さんのありがたい魚は鯛になっても不思議で
はありません。

当時の構図の中でも鯛が逆さまに描かれることが多かったのであれば、縁起物を
つくる職人(平八さん)もその絵をパクリ、腹を上にした鯛のハリコを作ります

(上記の仮定通り、その当時ではすでに鯛は単体で縁起物として確立されている
とします。)
なぜ鯛が腹を上にしているなどと考えません。平八さんはただ、パクリます。

そのパクられた鯛のハリコが店先に並びます。
人は鯛が腹を上にしていることに不思議だとは思いません。なぜなら、そのよう
な構図を一度は目にしているからです。『恵比寿』の絵で。

熊手自体は縁起物として江戸時代には存在していました。
初期はおかめとひょっとこがついている、いたってシンプルなものでした。
もちろん商魂たくましい日本人ですから、なんとかして自社商品に他社にはない
付加価値をつけ、自社ブランドとして発売します。
とりあえず、考えられる縁起物をペタペタ貼り付けてみます。
平八さんの店で売られていた、なぜだか腹を上にしている鯛も、その通りつけて
みました。かなりグッドなテイストでした。

それがいつの間にやら定番となり、今の熊手にいたったのではないでしょうか。
以上の仮定より、結論を出してみました。


森的結論:なぜ熊手の鯛はお腹を上にしているのか?
→恵比寿がマッチョだったから。

-----------------------------------------------------

素晴らしい。(^^;
「恵比寿がマッチョだった」という結論はちょっとといった感じがしますが、な
んとも説得力のある説明ではないでしょうか。

確かに魚を思いっきり釣り上げたときはよく魚が腹を見せている漫画とかありま
したよね。..。(^^; (多分)

こんな話に感心していると、別のスタッフが浅草酉の市の関係者に質問して、実
際の熊手商の方から回答をもらったそうです。
それによると...。

-----------------------------------------------------
鯛が熊手に付くようになったのは明治、大正になってからのことで、熊手の飾り
物としては比較的新しいものだそうです。
熊手屋さんの話によれば、鯛の差し方は先々代からの口伝とのことで、その由来
は神前などに奉納する祝い鯛は、本来は雌雄二尾腹合せにして供えたので、縁起
熊手の鯛もその姿をとって腹合せに差すそうです。

尾を上にした意匠は勢いの良さを表現したものと考えられます。
十日恵比寿などに供える糸掛鯛や(赤の木綿糸で鯛の尾をしばりその糸を口にく
わえさせ鯛を上向きにピンと反り返らせる)身近なものとしては鯛の生き作りな
どの姿がその考えに基づいています。
-----------------------------------------------------
(原文を引用させていただきました。有難うございました。)


んんー。 結論は縁起が良くて、見栄えが良ければOKといった感じですね。
「熊手の鯛はなぜ腹を上にしているのか」本当のところは定かではありませんが
、とにかく縁起がいいのは確かなようです。
その訳を深く知ることより、縁起がいいものをもって気持ちが救われることの方
が重要なのかもしれませんね。

今年一年、良い事がありますように..。



───────────────────────────────────
about FDNニュースレター
───────────────────────────────────
発行元    : フルデジット Inc.  http://www.fulldigit.net/
発行責任者  : 矢野雄章
----------------------------------------------------------------------
購読登録・解除: http://www.fulldigit.net/newsletter/index.html
----------------------------------------------------------------------
発行システム : PSPINC - NewsMAIL IV
          http://www.jp.newsmail2u.com
----------------------------------------------------------------------
FDNの過去のニュースレターは下記のサイトでご覧になることができます。
http://www.fulldigit.net/newsletter/index.html

Email アドレスの変更は、解約後、再度ご登録ください。
許可なく、複製、複写、回覧を一応禁止としておきます。
と言いながらも知らせて頂ければ、OKです(^^;
───────────────────────────────────