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[Debianセットアップ]OpenVZを使う
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Debian 環境セットアップ

インストール手順


(1)Debianのインストール
インストールCDイメージから作成したCDで、マシンを起動します。
Sarge (Debian GNU/Linux 3.1)になってからは、Debianでもインストーラーが大幅に変更され、とてもインストールが簡単になりました。GUIもすべて日本語なので、ほとん ど迷うことがありません。(Woodyのときは結構、面倒でしたが..。)

・パーティションの作成
OpenVZを最初から導入することを考えると、基本のOS部と仮想OS部というわけ方になってきます。基本のOS部ではサービスをほとんど実行しないの で、swap部と/var部以外は一つのパーティションとします。残りはすべて仮想OS部に割り当てます。(/vz)
----------------------------------------------
hda3 boot
4096MB
/
hda5 SWAP
3072MB
 
hda6  
20480MB
/var
hda7  
65000MB
/vz

・ネットワーク設定
ネットワーク設定とりあえずDHCPでもOKですが、どうせ固定IPで使うので、staticで設定。
後からIPを変更する場合は、/etc/network/interfacesを変更します。

# vi /etc/network/interfaces (下記は固定IPの例)
----------------------------------------------
iface eth0 inet static
  address 192.168.1.10
network 192.168.1.0
netmask 255.255.255.0
broadcast 192.168.1.255
gateway 192.168.1.1
auto eth0

・DNSを設定
これもとりあえずでもOKですが、最初から参照ネームサーバが分かっていれば、事前に設定します。
後からDNSを変更する場合は、/etc/resolv.confを変更します。

# vi /etc/resolv.conf (下記はDNS設定の例)
----------------------------------------------
nameserver 192.168.1.2
nameserver 192.168.10.2


(2)最低限必要なサービスをインストールする
最低限必要なのは、SSHとFTPDのみ。
この2つさえあれば、リモートからサーバをコントロールできるので、2つをインストールした時点でサーバコンソールから離れて、自分のパソコンから設定ができるのでとても楽になります。

昔は直接コンパイルしていましたが、最近パッケージのバージョンも上がってきているので、今回はパッケージからインストールします。


・ProFTPD 1.2.10のインストール

# apt-get install proftpd
# mkdir /var/log/proftpd (ログ出力のためのディレクトリを切っておく。)


・OpenSSHのインストール

# apt-get install ssh
設定中にいくつか質問されるが、特別理由がない限りデフォルトでOK。


標準インストールではSSHでログインするために証明書が必要になりますが、まだ設定していないので、パスワードによる認証でもログインできるように変更します。

# vi /etc/ssh/sshd_config
----------------------------------------------
PasswordAuthentication no→yes (とりあえずパスワードログインOKに)


adduserでユーザが作ってあれば、これでSSHでログインできるはず。
但し、これは暫定設定なので、サーバを外部に出す前までには、PasswordAuthentication noに戻す必要があります。


(3)OpenVZのインストール準備
まずはネットワークからインストールするための準備を行なう必要があります。
・debianパッケージを追加するために、sources.listを編集。


# vi /etc/apt/sources.list
----------------------------------------------
deb http://debian.systs.org/ stable openvz  (の記述を追加)


# apt-get update (sources.listを変更した場合は、必ず情報を更新)


※Debianでは既にOSテンプレートをパッケージで提供しているため、特に独自にダウンロードする必要はなくなりましたが、必要な場合は  http://download.openvz.org/template/precreated/ よりダウンロードすることができます。
ファイル名はdebian-3.1-i386-minimal.tar.gz

apt-getコマンド の使い方はこちら


このファイルをopenVZの[INSTディレクトリ]/template/cache下にそのまま配置することで、仮想OSが展開できるようになります。(今回は配置しない:自動的に配置されるので)


(4)OpenVZのインストール
前述したように、カーネル2.6.16をインストールします。

# aptitude install ovzkernel-2.6.16 vzctl vzquota vzctl-ostmpl-debian

# /sbin/update-grub (grubの設定を更新する)
# reboot

これで立ち上がってこれば仮想化の準備はすべてOKということになります。

【追記】2007.03.23時点で 「ovzkernel-2.6.18」がリリースされていました。

(5)バーチャルサーバの設定変更
めでたくサーバーが立ち上がってきたら、OpenVZの設定を少し変更することにします。

# vi /etc/vz/vz.conf
----------------------------------------------
VE_ROOT=/var/lib/vz/root/$VEID → /vz/root/$VEID(バーチャル用のパーティションに割り当て)
VE_PRIVATE=/var/lib/vz/private/$VEID → /vz/private/$VEID(上に同じ)


# vi /etc/vz/conf/ve-vps.basic.conf-sample 規定値ではディスク容量が少なすぎるので変更する。
----------------------------------------------
DISKSPACE="1572864:1730151" (例では、ディスク容量を1.5GBに設定した状態)


(6)バーチャルサーバの新規構築
あとはテンプレートを使って新しいサーバを設定するだけです。

# vzctl create 101 --ostemplate debian-3.1-i386-minimal --config vps.basic
(上記ではdebian-3.1-i386-minimalのテンプレートを使って、サーバを構築する設定である。)
# vzctl set 101 --hostname VS001 --save (ホスト名の設定)
# vzctl set 101 --ipadd 192.168.1.20 --save (IPアドレスの設定)
# vzctl set 101 --nameserver 61.197.1.2 --save (DNSの設定)
# vzctl set 101 --onboot yes --save (自動起動を可能にする)


これだけで、VS001というサーバができてしまいます。

(7)バーチャルサーバの起動・停止
バーチャルサーバの起動は、マスターのコンソールから下記を入力するだけでOK

# vzctl start 101 (起動)
# vzctl stop 101 (停止)
# vzctl restart 101 (リスタート)

vzctl startを実行するとすぐにスターティングのメッセージが表示され、サーバプロセスが立ち上がります。外部の端末から確認すると新しいIPでサーバが立ち上がっていることがわかります。

ちなみにバーチャルサーバー起動状況の確認は下記のコマンドで確認できます。

# vzlist


また、コンソールからバーチャルサーバにログインするには、次のように入力します。

# vzctl enter 101



バーチャル環境が一つだけなら問題ないのですが、複数立ち上げるようになると、どのバーチャルサーバを触っているのか混乱することがあります。私もずいぶん混乱した。(笑) 
混乱を避けるためにも、バーチャルサーバには別々のSSHでログインしたほうが、いいかもしれませんね。